お知らせ

2024.8.28

フリースクール玄海の日常

西日本新聞 春秋

8月28日 西日本新聞 春秋より

 阿蘇山、桜島、玄海、筑前、日田丸、ばってん,めんたい。九州の観光名所や地名、

 方言に名物も。ファンならば気付いただろう。これらはNPO法人、九州プロレスの

 選手の出身地にちなんだリングネームだ。「九州プロレス見た?」「百聞は一見にしかず

 ですよ」。最近そんな言葉を聞くことが多かった。今月初めに開かれた旗揚げ16周年

 記念大会は3500人の観衆で大盛況だった。会場は大相撲九州場所が開かれる九州国際センター。

 チョップが厚い胸板を打ち、巨体がマットにたたきつけられる生の音が響く。流血や過度な

 反則はご法度。磨き上げた技をぶつけ合う場面もあれば、コミカルな選手が笑わせる場面も。

 誰もが楽しめるショー。選手の名を叫び「がんばれぇ!」と応援する子供の姿が目立つのは、

 入場無料だから家族で来やすいことも理由だろう。ほとんどの大会が無料なのは地場企業の

 協賛があればこそ。九州を元気にしたいとの理念に共感が広がっている。試合のない平日、選手は

 福祉施設のお年寄りや障害者、幼稚園などを訪ねて交流する。その数は2千カ所を超えた。

 理事長兼プロレスラーの筑前りょう太さんは慰問と呼ばず、現状と戦うファイター同士の

 「元気の交換会」と名付けた。いつも大会の締めくくりは「九州ば元気にするばい!」のかけ声。

 九月以降も各地を巡る。あの熱気をひとたび浴びれば、誰かに勧めたくなる。

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