物思ふ　葦にしあれば　ゆく雲の　高きに舞はむ　心をわがもつ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　太田　青丘（せいきゅう）

　大そらを　静かに白き　雲はゆく　しづかにわれも　生くべきありけり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　相馬　御風（ぎょふう）

　よき水に　豆腐切り込む　暑さかな　　　　　　　　　井上　井月（せいげつ）

　よしあしは　後ろの岸の　人にとヘ　われはぐ風に　のりて遊べり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　与謝野　晶子