常と身近
「常と身近」の常は、日常の事であり衣、食、住になります。裁縫が出来たり、
食事が作れたり、部屋の掃除がきちんと賄えることが大切です。自分で何とか
出来ないと追い込まれてしまいます。人間関係でいえば、家族と一緒にいれば
常に親族はいますし、職場であれば常に同僚や上司はいます。常におる人と
「どう振舞うのか、どう喋ったらいいのか分からない」では困ります。しかし、
これが片付かないと今がないので、将来の夢や希望はありません。「音楽で生きて
ゆくので他の事は考えたくありません」という人は、今、目の前にいる自分の話を
しようとせずに過去や未来の話ばかりします。「身近」の近は最近よく目にする話題を
知っておくことです。詳しくなくてもいいのですが、流れている事、変化して流れている
ことを知っておくことです。WBCの話題に「僕は野球興味ありません」は寒いのです。
「身」は身の上の事で、自分の現在の位置をしっかり把握しておくことです。過去でも
未来でもない今、流れている日常を適当にこなすことです。適当が出来たら少し立派を
めざせばよいのです。「常と身近」に立派をつけてゆくのです。遠い将来の可能性より
今そばを流れ、通り過ぎるものに目を向けることです。学問は常と身近の間にある。「山鹿素行」