軽重
軽重(けいちょう)は軽んじられる、重んじられることです。軽んじられるは
労(いたわ)られることなく、言ったこと、したことを大事にされないことです。
重んじられるは、労わられて大事にされることです。軽んじられる人の特徴は
「馬鹿正直」なことです。アルバイトしていてきつい時に、本音でしゃべるべき時に
(ムリです)と言えばいいのに(ガンバリマス)と言ったり、出された料理が
おいしくないときに正直に(マズイデス)と言ったり、対人関係の見せ方が分かって
いないのです。それが続くと次第に無視されたり、相手にされないようになると、
社会で生きてゆくのがつらくなります。愚直に自分のやり方でやるのは美談では
ありますが、(誰もわかってくれない)と落ち込むこともあるでしょう。
ある剣道部は宿舎のトイレ磨きをして、試合会場の履物を整理し試合に臨むのですが、
相打ちの時審判の旗がその高校の選手に上がってしまうのは人情です。覚えなくては
いけないのは、頑張っているように見える事であり、しっかりしているように見せる事
なのです。勿論、実力がつくことが大事なのですが、そう見えるようにやっていくうちに
力がついてくるのです。どうしたら大事にされるのか、どうしたら重く用いられるのか
考えてみることです。ハーフマラソンを応援してもらうには、少しきつめのペースで
走りぬくことです。いきなりスタートからスピードダッシュをしたり、ゴール前だけ
全力を出すのは見せ方が下手です。大人になるのに見せ方、見え方がわかるように
なると少し楽になるでしょう。