意味
「意味があるのか?」と考えて、動かなくなる人がいます。意味があると思える
ならやりますが、意味がないと思えるならしたくないという人がいます。考える、
思う世界は実際に動いた世界とは別のものです。実際に動いた世界が実体であり
見える世界です。一燈園でしてきた掃除や正座での食事に意味がありますかと問われ
たら、事実として体験してきたことが力になりますと答えるでしょう。頭の中だけで
考えたり思ったりしているだけでは形になりません。人間がひ弱になってしまいます。
逞しさは動きの中で作ってゆきます。食ったものが身体になり、動いた分が自分になる
のです。実体が社会で通用するようになるには、意味がない方が実体を作っている事に
気付くことです。意味があることだけでは力が足りません。先生が洗剤を使って洗濯機を
回している横で、生徒が洗濯板の上の道着を固い石鹸でゴシゴシやるのはまさにこれです。
意味があろうとなかろうと見えているのが実体であり、実態を育てているのは自分です。
人間もたかだか動物であることを忘れずに、考えすぎずに動いてみることです。