安心感
日頃、出来ることや得意なことは少ないものです。逆に社会人として何が足りないのか、
大人として何が足りないのかを考えるとたくさんあります。出来ることを増やせば
自信がついて、足りていないことが多いと不安になる気がします。考え方、見方のポイントを
変えてみることです。160kmのスピードボールを投げるピッチャーも、バスケットの
3ポイントシュートは打てません。プロの野球選手もバスケット選手も大震災の時には
何をやっていいかわからずに途方に暮れていました。普段から「本当の社会人とは?」と
考えていなかったのです。英検1級をとっても恋人は出来ません。有名大学を出て一流
企業に就職しても「立派な大人になった」わけではありません。実は逆なのです。「何が
大人なのか?」「何が社会人なのか」を考えると、ほんの少ししか分かっておらず、足り
ないことが多いことが分かるから安心なのです。大学教授はその分野では他の人よりはるかに
分からないことが多いことを知っている人です。一流の料理人は「何がうまいのかいまだに
わからん」と言います。立派な大人や社会人になる方法はいくらでもあります。出来る人間に
見せようとすると無理が来ます。分からないことだらけ、出来ないことだらけでいいのです。
少しずつ埋めてゆけばいいのです。何が足りないのか考えれば、自分が立派でないのが分かるし、
謙虚にもなるでしょう。他人も同じだから引け目を感じる必要もないのです、「他人もわからん
自分もわからん」です。人間万能ではないので、安心してどこでも生きていけるものを手に
入れようとするのではなく、立派な大人や社会人がどこにでもいることを体感することです。