Philosophy学園の理念
-BE A GENTLEMAN-
“紳士たれ”という言葉は、英国騎士道精神をあらわすもので、他者への貢献という高貴な義務に生きることを大事にせよという意味です。人として生まれた以上、ただ生きるのではなくより良く生きよう、他者の幸せにも関心を持ってゆこうとする生き方を教えてくれます。日本人は西欧を手本として民主主義や言論の自由、人権の尊重を求めてきました。しかし、こうした制度だけでは人に生きる力を与えるものではないことがわかってきました。生活水準も高くなり教養も身につけたのですが、それは人々の心を幸福にはしてくれませんでした。精神を置き去りにしてきたからではないでしょうか。
私は、もし生きる目的はと問われたら、高貴に生きること、魂を磨くことと答えたいです。なぜならば私たちはともすれば自由を選択し意思して「生きている」と感じてしまいますが、実は周囲から「生かされている」度合いが強いのではないでしょうか。ですから、苦しい試練も人間性を高める機会と考え、修養の場と捉えるならば人はその人生を豊かで実り多いものにするのみならず、周囲にも素晴らしい幸福をもたらす事ができるはずです「天を怨まず、人を咎めず」西郷隆盛が愛した詩です。現実から逃げず、明日に向けて悲観的にならず、父母や友人の為に何ができるのかということに思いをめぐらすことが大事です。未知への新しい一歩を踏み出す勇気を持つ事です。そのことが何ものにもとらわれない自由を獲得する第一歩となるはずです。
人生は美しく、意味がある
「引きこもり状態」の子ども達に多くの人達は「そっとしておいて、動きだすまで待ちましょう」と言います。これは子どもの自主性・主体性を尊重するという考え方から来ています。しかしながら、発達途上の子どもが自分で考え、判断して、行動することは難しく、その状態が長引くことも経験上、多く見てきました。一日も早く、周囲の大人がアクションを起こすことが効果的と考えます。
私達は、父母の依頼があればこちらから出向き、本人が十分納得して外へ出られるようになるまで協力を惜しみません。
「人生は美しく、意味がある」ことを家に閉じこもっている子ども達に教えたいのです。
Parenting不登校・引きこもりにさせないための子育て九ヶ条
01両親は、仲がよく、家庭は明るいことである。
子育ては、お父さんとお母さんが仲良く、協力し合って行なう。子どもに愛情を注ぎ、信頼感を与えることがなによりも大切です。子どもの不幸は両親が仲たがいし、子育てがちぐはぐなことです。
02子どもはかばうより鍛えなさい。
一般に、不登校や引きこもりを示す子どもは、過保護に育てられています。母親をはじめ、周りのものが幼少時から彼等に手を貸し、あれこれと面倒を見てきています。
少しでも嫌なことやきついことがあると、親に頼り、助けを求めます。自分自身で問題に立ち向かい、自分で解決して行く、そんな体験をさせ、それを親は見守り、励まし、できたら大いに褒めてやることです。自ら解決する体験に乏しいと、ちょっとしたことで、挫折したり、その場から逃げてしまうものです。
03子どもはいろいろな体験を積ませなさい。
最近は、子ども達が外で遊び回ることが少なくなったようです。家の中で一人で遊んだり、テレビを見たり、ゲームに熱中しています。そのため、友達と上手に付き合うことができない。友達との関係で嫌なことがあると、家の中に逃げ込む傾向にあります。子どもはできるだけ家から出し、子ども同志で仲良く遊び、または喧嘩をしては仲直りし、いじめにあったらそれに立ち向かい、いろいろと体験することが大切です。また、子どもの成長には、積極的に冒険をさせることも必要です。このような体験を通して他人との協調性も生まれ、積極的になり、少々の困難にも耐えられる耐性力もつくのです。
04子どもに物を与え過ぎない様に。
今は物は豊かになり、子ども達は幼少時から物を与えられ、欲しいものは何でも手に入る。欲しくなくとも親は勝手に与えている。そのような中で生活していると、欲しいものは何でも手に入ると思い、その要求も次第にエスカレートしていきます。その要求を親が叶えてくれないと大変です。もともと我慢することができないので、親に暴力を振るったり、無理難題を吹っかけて親を困らせます。裏を返せば、親に対して依存があり、甘えがあるのです。物を与え過ぎると、工夫する気持ちも起こらないし、感激もない。もっと困ったことには、我慢する心が育たないのです。
05子どもに期待を持ち過ぎない。
親が子どもの学業成績が上がるとかスポーツで優勝するなど期待することは大切なことです。しかし、過ぎたるは及ばざるが如しで、親が子どもにあまり期待を持ち過ぎると、それに押しつぶされてしまいます。親は子どもに最高の教育を受けさせ、良い高校、一流の大学を目指し、親の敷いたレールを走らせようとします。子どもはその期待を背負って、塾に予備校にと、時間に追われて生活しています。それが順調に進んでいるうちはいいのですが、何かのきっかけで親の強い期待に添えなくなった時(例えば学業成績の低下)、その反動が出て、勉強を放棄し、学校を拒否する行動に出ることがあります。親の強い期待が裏目に出てしまうのです。親の期待は“ほどほど”が肝心です。
06自立させることが第一である。
子どもが大きくなっても、あれこれと世話をすることが親の愛情であり、務めであると思っている親がいます。子どもの方は、それを拒否することもありますが、親がしてくれることをごく当然のように思ってしまいがちです。これでは自分の力で最後までやり通す力はつきません。十分に手をかけてやるのは3,4歳まででしょう。後は発達段階に応じて自分でやれることは子どもに任せることです。子どもが自分でできたら、親はそれを褒めてやることです。
07父親は家庭の中で父親像を確立しなさい。
最近の父親は、子どもに優しく、理解があり、物分かりが良いといわれています。不登校の親も、等しくこのような父親であり、家庭の中で影が薄い存在です。子どもの成長にとって特に男の子では、立ち向かっては跳ね返され、壁があり、さらには悪い行いやわがままな行為に対しては、強い注意や抑制(叱責、罰や拒否)をする大人がいなければなりません。これが父親なのです。仕事には熱心だが、子どもには甘く、不登校が起こっても断固とした態度が取れない。父親はここぞという時には毅然たる態度で子どもと対決し、肝心な時は家庭の中で存在感のある父親であることです。子どもにとっての父親は、尊敬できる大人であり、ちょっぴり恐い男性であって欲しいものです。
08子どもの日常を正せ。
不登校や引きこもりになると、夜は遅くまで起きており、朝は起きない。昼夜逆転しています。たいてい、布団を敷きっぱなしにしています。食事も家族と一緒にしない。
一般的には、家庭においては朝食も夕食も家族そろって一緒に取ることです。しかも、朝早く起床し、規則正しい生活が大切です。母親が遅くまで床に入っていると子どもも朝寝をします。これが不登校につながっていきます。子どもは家の手伝いや毎日行なう日課を決めていて、実行するようにします。子どもは机に向かって勉強さえしておればいいと親子とも思っているとすれば、考え違いです。
09子どもに責任を取らせる。
子どもにとって嫌なこと、したくないことは、親や周囲のものが代わってしていないでしょうか。子どもにはその力の程度でいろいろなことをさせ、できない様だったら、親も手伝ってやる。しかし、あくまでも子どもが主体です。失敗してもいい、それを踏まえて再挑戦すればいいことです。子どもの行なったことは、子ども自身に責任を取らせることです。そうすることが、困難な場面に直面した時、その場から逃避しない人間を作り上げることになります。